ラクスを人質に、ヴェサリウスからの攻撃を止めたアークエンジェルではあったが、眼前での先遣隊全滅のショックは大きかった。特に父を殺されたフレイは半狂乱になり、キラに激情をぶつける。「アンタ、自分もコーディネイターだからって、本気で戦って無いんでしょう!?」
打ちひしがれるキラ。だが、その悄然とした背に声を掛けたのは、軟禁されているはずのプラントの歌姫ラクスであった。ラクスはキラの親友、アスランを知っていた。それどころか、彼女は彼の許婚であったのだ。在りし日の親友を回顧するキラ。そして今は互いに刃を交している。彼女は優しく静かに言った。「お二人が戦わないで済む様になれば…いいですわね」
逡巡の末、キラはラクスをアスランのもとに帰すことを決意し、友人たちの手を借りて無断でストライクを発進させる。4度相まみえるストライクとイージス、キラとアスラン。ラクスはアスランの手に渡り、キラは親友の呼びかけに背を向ける。運命は分かれた。二人の本当の決別であった。